8月JIADSセミナー
こんにちは 勤務医の山本です。
今日は歯周病治療の6回目の最終回へ行ってきました。
今回は今まで行った治療のまとめ動画の閲覧と、症例についての検討を行いました。
今回は主に歯周病に対するアプローチ、治療において問題点を把握することからです。問題点は主に7つあり、
・深い歯周ポケット(歯と歯茎の間に深い溝がある)
・骨の形態異常
・根分岐部病変
・歯肉歯槽粘膜の問題
・歯肉縁下カリエス
・歯の位置異常
・歯槽骨の形態異常
の7つに分けられます。そしてその問題点に対する歯周病治療は主に3つのステップに分けられます。
1、炎症のコントロール(歯ブラシによる清掃、スケーリング・ルートプレーニングなど)
2、清掃性の向上(歯周外科治療)
3、メインテナンス
その問題点7つがなぜ問題なのかを考えていきます。
1、深い歯周ポケット
深い歯周ポケットのある10年後の歯の生存率は水平的にポケットがあるときに比べて格段に低いです。つまり放置しておけば抜け落ちる可能性が高いというわけです。
そのポケットを無くしたいときに、ポケットへどのように対処していくのかが重要になってきます。主に二つの手段があり、
1、ポケットの深さを減少させる方法
2、ポケット自体を無くす方法
があります。
1はポケットの深さを減少させるためには歯ブラシによる清掃や歯と歯茎の間に器具を入れて衛生士さんが歯茎の際のお掃除をすること。しかしこの方法では深く形成されてしまったポケットをなくすことはできません。そこで2の方法があります。
2のポケット自体を無くす方法とは何なのでしょうか?
それは歯肉弁根尖側移動術という歯茎を避けることから行う外科的な方法です。
ポケットとは歯と歯茎の間の溝の深さです。この溝はバイキンによって深さを増していき、歯茎は歯槽骨と呼ばれる骨によって支えられています。逆に言えば歯槽骨がなくなってしまうと歯茎を支える骨がなくなるので、歯茎の位置が下がりポケットがなくなってしまうのです。
この方法はポケットをなくして適切な位置へ歯茎を移動させることにより、深い歯周ポケットをなくすことができる有効な方法です。
治療時の注意点として以下のようなことがあります。
・骨自体を削り歯茎の位置を下げるため、前歯では見た目に影響しやすい
・治癒に前歯で半年、奥歯で4ヶ月ほど時間がかかる。
・骨を削るときはなるべくなだらに削り、必要以上に歯を削りすぎない
などがあります。このような治療は時間と手間がかかりますが、長い間歯を使用していくことを考え行われることも多いです。
骨の削り方にもコツがいります。
・なるべく左右対称に骨を削る
・凸凹ができないように滑らかに削る
・歯と骨の移行部は垂直になるように削る
このような治療を行います。
今日はこのような治療の他にはここまでの総復習のような内容を学ばせていただきました。半年にわたるセミナーを通して歯周病とその治療に関する様々なことを学ばせていただきました。これから実際の診療でも様々なケースに遭遇すると思うので、実際の診療にも積極的に使用していきたいと思います。
6回にわたる長いブログでしたが、長い間ありがとうございました!