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10月SJCDセミナー2日目

こんにちは!勤務医の山本と申します!今回はSJCDの2日目のセミナーへ行かせていただきました。

前回は歯のプラスチック模型を使用してプロテーパーとプロファイルシリーズ21について使用方法を学んでいきました!

今回は主にMTAと呼ばれる材料の作用機序および大臼歯と言われる奥の歯の根管の特徴およびその治療方法について学ばせていただきました!

まずMTAと言われるお薬について解説していきます。

この薬は主に歯の中の穴のある部分や、組織を再生させたい部分に使用されます。

普通歯の根っこの治療が終わった後は「ガッタパーチャポイント」と言われる防腐剤を使用して歯の中を密閉することにより根管内への細菌の漏出を防ぎます。しかしこれだけでは根管の先にできてしまった大きな病巣部分や歯の穴の空いた部分を塞ぐことはできません。そこで用いられるのがこのMTAと言われる材料です。

MTAは主にケイ酸三カルシウムを主成分とした材料であり、そこにレントゲンに移るように造影剤と言われる成分を混ぜ合わせています。このケイ酸三カルシウムには水と混ぜ合わせると膨張して固まる性質があります。これを歯の根っこの先や穴の空いた部分にいれることで外部組織との遮断をすることにより密閉してバイキンの漏出を防ぐことができます。さらにこの材料には歯の周りの組織を活性化させる細胞活性作用があり、バイキンにより失った組織(骨や歯)を再生させる能力も期待できます。

歯の根っこのレントゲン写真です。根っこの先にMTAを入れるとレントゲンで上のように白く写ります。次にこの歯の一年後のレントゲン写真です。

1年後のレントゲンでは歯の周りの骨が再生して白っぽくなっているのがわかると思います。このMTAという材料には強力な骨を再生させる能力があるので、このような大きな骨の吸収でも再生させることが可能です。こちらの治療は当院では主に自費治療で使用することが多いです。

次に大臼歯の特徴とその治療法についてです。

奥の方の歯である「大臼歯」と呼ばれる歯は大きく足が複数ある歯なので根っこの治療には時間と労力が必要になります。

大臼歯にはさまざまな根の形態があり、湾曲しているもの、真っ直ぐに伸びているもの、うねっているものなどがあります。

歯の根っこの大まかな形態はレントゲンで確認して、それぞれの歯の根っこをどのように開いて、どのように歯の足の中の根管を形作るか?ということが根っこの治療を行う上で重要になります。原則は歯の根管は根っこの掃除がしやすいように頭の部分を削り、余計な歯を削りすぎないというのが原則です。

大臼歯を治療する上での注意点としては主に下のような点にあります。

・根管口付近の規制除去

・フレアー形態の付与

・根尖部の抵抗形態の付与

・根管内に未処置の内壁がないか?

ざっくりと言ってしまうと、根管に器具が通りやすいように入口付近が開いており、三次元的にその根管の入り口が丸や楕円上に形成され、歯のねっこから防腐剤が出てしまわないような形状で、きちんと歯の中の根管の壁全体を掃除できているか?ということです。

これを行うためには1つ1つの根の形態をより正確に把握し、その根管をどのようなアプローチをしていくかの「戦略」が非常に需要になります。

次はキャリアーUテクニックと言われる歯の根っこに防腐剤を詰める治療方法についての説明です。この治療法は先ほど説明したMTAセメントと組み合わせて使うことで、より緊密な根管充填と失われた歯周組織の再生の両方を行うことができます。

この治療を行う上で1回目のブログで説明させていただいた「テーパー」という概念が重要になってきます。通常防腐剤は横に詰めて行きますが、このキャリアーUテクニックは縦に防腐剤を詰めていきます。普通防腐剤は円錐状の防腐剤を使用しますが、この時使用するのは主に円柱状の防腐剤です

この防腐剤を歯の根っこに入れて上から押し込むことによりより緊密で封鎖性の高い充填が可能です。

キャリアーテクニックにより根管充填された模型

2回目の受講であったので、比較的スムーズに研修を受けることができました。人の口の中で行うことと模型実習ではやはり難易度が異なるので、実際の口の中でも模型のようにできるように実践していきます。

長文を大変失礼しました。